キャリアカウンセリング型組織開発®とは?


 組織開発においては、どうしても活動に反対する動きや個人の課題や悩み等への対応が付随してきますが、既存の組織開発ではこれらの点に充分対応出来ていない面があります。これら個人の否定的な動きや課題等に積極的に対応をし解決しながら、組織全体の課題の解決と両立させる手段が必要となりますが、この手段として組織内個人に対してはキャリアカウンセリング(経験代謝)の手法で対応をし、組織全体としては対話型組織開発として関わってゆくのが『キャリアカウンセリング型組織開発®』のコンセプトになります。また、組織にとって必須である売上と利益を確保することを念頭に、『組織のコミュニケーション・プロセスに入り込んで、マーケティングやイノベーションにつながる創発が行なわれる様に、組織の支援を「並走型」で行うこと。』を基本に、

新市場創造型商品・新サービス・新事業をサスティナブルに創発できる創造的組織開発』と定義しています。

 企業の存続・成長に不可欠なマーケティングやイノベーションが組織内で実現出来続けることが大切です



キャリアカウンセリング型組織開発の特徴

  1. 新市場創造型商品・新サービス・新事業をサスティナブルに創発できる創造的組織開発。
  2. 組織リーダーに対するビジネス・キャリアコンサルティングを起点とし、プロセス・コンサルテーションとしてのアプローチ。
  3. キャリアコンサルティングを通じて、組織内のコンフリクト(相違点)の統合。
     組織風土の改善や組織内でのマネジメントの浸透。
  4. 組織内における創発を促進して、マーケティング活動やイノベーションの活性化を実現し、組織の有効性を高める。
     (組織にとって必須である売上・業績(効果)の改善を目指すことにより、従業員に対しての誘因の原資(賃上げ原資等)を捻出することを可能にします。)
  5. 従業員のモチベーションアップだけでなく、リーダーシップの向上による組織全体の強化と組織の外部環境への適応性を高める。
     個々の従業員の社会環境への自律的な順応性(セルフマネジメント)を高めることにより、企業全体のCSR力の向上。
  6. 組織内の情報交流の促進・各メンバーの意識向上を通じて、上位環境との整合性への意識を高め、企業存続の危機につながるような「組織的社内不祥事」を防止。

 ☆特に、スタートアップ企業、ベンチャー企業や中小企業における従業員と組織の活性化の実現。


注)「対話型組織開発」において「キャリアコンサルティング」を活用しますが、「経験を聴く」ことを中心とした傾聴の関りが重要ですので、「キャリアカウンセリング型組織開発®」としています。


 キャリアカウンセリング型組織開発は、社会構成主義を前提とし、ブリーフセラピー等が基本のキャリア面談(広義のキャリアコンサルティング)とプロセス・コンサルテーション(組織開発)を組み合わせて行います。

 その為には、これらの構成要素である「社会構成主義」「対話型組織開発」「経験代謝の活用」「経営組織論」の理解が必要となります。ここでは、これら構成要素についての概略の解説と参照図書等の紹介等の情報提供を行っています。

 組織開発とマーケティングまでを統合する概念として、「意識マトリクス理論」についても解説をしています。


 《キャリアカウンセリング型組織開発®に関する具体的な個別解説も承っております。》



以下、主要項目になります。これらがキャリアカウンセリング型組織開発®におけるリベラルアーツとなります。


社会構成主義

 社会を個人の発する言葉とそのそれぞれの意識で構成された集合体と捉えて考えます。対話型組織開発等の根底に流れるマインドセットになります。

 キャリアが形成される組織は、構成員の発する言語及びその共通認識(ディスコース)によって構成されているものとして捉えます。

 特に、ブリーフセラピーの活用を重視しています。



対話型組織開発

 社会構成主義をベースとした対話型組織開発の対話についてキャリアコンサルティングをベースとして進め、経営組織論等も踏まえながら、組織活動全体の改善を目指します。

 プロセス・コンサルテーションとしての姿勢を重視しています。



「経験代謝」の活用

 「経験代謝」は、JCDAが推奨するキャリアカウンセリングのメカニズムです。

 経験を傾聴することによって、個人の内省を促し、個人の自己概念の成長と周囲環境(組織)との関係性の改善を図ります。

それぞれの経験の統合による組織の活性化も可能にします。

 幅広い組織活動において活かすことができるメカニズムです。経験に対する傾聴とリフレクションを関りの基礎としています。展開については意識マトリクス理論として解説しています。



経営組織論

 バーナードは著書「経営者の役割」の中で、組織を社会目的の達成をする為の人の諸力によって構成された協働システムとして捉えました。

 ここでは、社会構成主義の観点から「諸力」を「組織を構成メンバーのナラティヴ」と捉えて、組織をこれらによって構成されているシステムと捉えてアプローチをします。



意識マトリクス理論

 キャリアカウンセリング型組織開発の基礎となる「社会構成主義(と本質主義)」、「対話型組織開発(プロセス・コンサルテーション)」、「経験代謝」、「経営組織論」は一見つながりが少ない様にも思われますが、意識マトリクス理論(井上昭成,2020)でこれらを一つの関係性の枠組み中で理解することが出来ます。統合して把握する事により、マーケティングやイノベーションとの連動をも可能にしてゆきます。
 また、経験代謝が幅広い範囲で活用できることが理解できます。 



 キャリアカウンセリング型組織開発は、社会構成主義のマインドセットに立ちながら、対話型組織開発をベースに、プロセスコンサルテーション、経営組織論M.P.フォレットの思想、経験代謝のメカニズムを活用します。そして、これらを「意識マトリクス理論」にて統合することが可能です。



 「キャリアカウンセリング型組織開発®」の源流のひとつが、1920年代のM.P.フォレットの思想になります。

「個人、組織、社会の関係をすべてプロセスとみなすことにある。すなわち、個人が他者との相互作用を通して組織という社会過程をつくり、さらに組織と組織、個人と組織のそれぞれの相互作用の中で社会ができるというように、「個人―組織―社会」と連なる動態的プロセスとして三者の関係を捉えている。」を理論的な基礎としています。

 個人毎の経験に基づく組織に内における相互作用における軋轢(コンフリクト)をどのように統合するかが重要になります。

 この考え方を現代社会において実践するにあたって、「キャリアカウンセリング型組織開発」では、次のように考えています。

 「社会構成主義」に基づいた「対話型組織開発」において、「傾聴とリフレクション(経験代謝)」による「キャリアカウンセリング」を対話の軸とし、組織の改善を実現します。最初にリーダーの組織目的をナラティヴとしてメンバーに伝達し、それを受けてメンバーからよりも、組織目標を念頭に置いた上でのより良い職業生活の実現の為にどうしてゆくのか、ナラティヴやディスコースの集約を行います。これらをもとに、組織やリーダーを含めた環境全体への働きかけが行います。このように組織内のナラティヴ・ディスコースの変化を起こすことにより組織の変革につながり(MRIブリーフセラピーによるダブル・ループ学習の実現)、その結果として、組織全体の活性化が進むことになります。


キャリアカウンセリング型組織開発®の考え方

 キャリアカウンセリング型組織開発®の視点は、キャリアコンサルタントが組織内キャリアコンサルティングを行う際に、組織開発を意識してより社会的に有意義な環境を達成する点にあります。

 もう一つの視点が、日々どのような組織においても絶えず行われている売上や利益を増加させる為の改善策等の組織パフォーマンスを高める為の各種の取り組み、これらも組織開発と言えますが、その効果を高める為にもキャリアカウンセリング(経験代謝)の活用を推進してゆくことです。

 組織開発においては、個人の悩みや各種の課題に対するアプローチ方法がまだ十分に明確でないともいえます。一方で、組織の個人に対するキャリアコンサルティングにおいては、クライアントの概念に変化を与え、その変化が組織にも影響を与えるという視点から、組織内におけるキャリアカウンセリングでも常に組織への働きかけを意識する必要がありますが、どのように意識すれば良いのかはまだ明確にされていない面もあります。このような組織開発とキャリアコンサルティングの課題をつなぎ合わせ、そのそれぞれの課題点を解決する手法が「キャリアカウンセリング型組織開発®」です。

 ほとんどの社会人が組織に関わっていることを考えれば、それぞれの組織の改善(=組織開発)を行うにあたって、個人のマインドフルネスを高める為のキャリアカウンセリング(経験代謝のメカニズム)が必要とまります。このように、「傾聴とリフレクション(経験代謝)」を使ったキャリア面談にて、経営組織論を踏まえながら組織開発に活かすことを「キャリアカウンセリング型組織開発®」として定義しています。

 キャリアコンサルティングは、組織におけるキャリアに関する「セルフマネジメント」をサポートする事、キャリアカウンセリングは、「セルフマネジメント」に対する動機付けをサポート「セルフアウェアネス」を向上させるものと位置付けています。


☆キャリアカウンセリング型組織開発®のマインドセット

 キャリアコンサルティングを通して組織への働きかけが、少なからず組織の変革につながります。組織の変革は組織開発と言えます。つまり、組織内キャリアカウンセリングは組織開発を伴うものだと言えます。この点からも、キャリアコンサルタントのマインドセットが、そのクライアントの組織にも大きく影響をすることになります。

 しかし、キャリアコンサルティング(カウンセリング)においては、クライアントに関する組織への働きかのスタンスは、まだあまり明確にはされていません。キャリアコンあるティングを有効にするには、その環境である組織に働きかける必要があるという視点だけが明示されています。例えば、ロジャーズ型の傾聴を主体とするカウンセラーでも、組織に働きかけようとする瞬間から自己の概念に基づいて、そのカウンセラーが主体的に組織に働きける事になります。その主体となる自己概念が、クライアントの環境である組織にはどういう姿勢で働きかけるべきなのかという点についても明確にはなっていません。

 カウンセラーとしてのマインドセットはしっかりと確立された上で、キャリアコンサルティングは行われるべきだと考えています。「キャリアカウンセリング型組織開発®」においては、「キャリア面談(キャリアコンサルティング)」のマインドセットを「社会構成主義」におくことにしています。 組織開発の「プロセス・コンサルテーション」のマインドセットとも共通に出来ます。

 「キャリアカウンセリング型組織開発®」では、キャリア面談を通した組織への働きかけは、これまでに確立された組織開発や組織論、マネジメント理論の知見を踏まえて行われるべきだと考えています。一方で、社会構成主義の立場をマインドセットにしますので、それらの知見はあくまでキャリアコンサルタントのバックボーンを形成するものという形になります。一番大切な事は。社会構成主義を理解して利用するのでなく、社会構成主義の枠内で活動を行う事が大切になります。



社会構成主義で大事なポイントとして、「モダン」「ポストモダン」の取り扱いがあります。

 「モダン」を現代、現代風と訳されることもあるが、ここでは「近代」として把握します、一般的なイメージではどちらかというと「前近代」という感覚になると思います。現代は「Contemporary」「Present day」とします。

 現代は「モダン」的な考え方から、「ポストモダン(ポストモダニズム)」へ移り変わっている状態と捉えています。

そのような状況の中で社会構成主義は、「モダン」を批判し「ポストモダン」へと向かう考え方になります。但し、社会構成主義と「モダン」の考え方である「本質主義」は是非を争うものではなく、実際は共存をしているというスタンスを取っています。

 組織開発では、過去の学校教育などを通じて獲得された「モダン」をベースとしたマインドセットを「診断型」、ポストモダンを前提としてマインドセットを「対話型」と想定しています。対話型の源流は「社会構成主義」になります。

 キャリアカウンセリングについても、検査によるマッチングを重視するような「モダン」を基本とする「診断型」の取り組みと、ナラティヴ・ブリーフセラピーや経験代謝のメカニズムを重視した「ポストモダン」をベースとする「対話型」の取り組み(構成主義的)では、結果として、クライアントや組織社会に与える影響は違ったものになると考えています。但し同じく、「診断型」と「対話型」が実際は共存するという考え方がキャリアカウンセリング型組織開発®での「対話」のスタンスになります。