キャリアカウンセリング型組織開発®とは?


 組織開発ではどうしても個人の課題や悩みなどへの対応が付随してきますが、これら個人の課題に積極的に対応し解決しながら、組織全体の活動成果を上げる手段が必要です。この手段として(経験代謝のメカニズムによる)キャリアカウンセリングを使って、対話型組織開発にアプローチを行うのが『キャリアカウンセリング型組織開発®』です。

 ここでは一般的な対話型組織開発においての対話の場づくりよりも、マネージャー等の個人の課題や組織内部における個人間のコンフリクト(軋轢)を起点として、その解決への道筋を経る中で、各人の経験の統合による組織活性化を重視しています。

この結果として、企業の存続・成長に不可欠なマーケティングやイノベーションにつながる創発が、組織内で実現できるようにサポートをすることが出来ます


  1. 起点は、リーダー層等に対するビジネスに関するのキャリアカウンセリングになります。
    対話型組織開発の対話について、キャリアカウンセリング(経験代謝)を軸に展開し、個人の課題解決を組織の成長へとつなげます。個人の活性化とともに組織の活性化を促します。
  2. 個々のキャリアカウンセリングを通じて、組織内のコンフリクト(相違点)の統合を図ります。その結果として組織全体へのマネジメントの浸透を進めます。
  3. 従業員のモチベーションアップだけでなく、リーダーシップの向上による組織全体の強化と組織の外部環境への適応性を高めます。組織での創発を促し、イノベーションつまり組織の有効性を高めます。その結果、組織にとって必須である売上・業績(効果)の改善を目指します。
  4. 個々の従業員の社会環境の自律的な順応性を高めることにより、企業全体のCSR力の向上に貢献します
  5. 組織内の情報交流の促進・各メンバーの意識向上を通じて、上位環境との整合性への意識を高め、企業存続の危機につながるような「組織的社内不祥事」の防止に有効につなげます。

    ☆同質従業員を集めてのキャリアドッグ制度の実施の難しいスタートアップ企業、ベンチャー企業や中小企業において、従業員と組織活性化を目指す活動が出来ます。


『キャリアカウンセリング型組織開発®』とは、『社会構成主義をマインドセットにした(経験代謝のメカニズムによる)キャリアカウンセリングを使って、組織に対して対話型組織開発としてのアプローチを行うこと」です。』



以下は、主要項目の説明になります。これらがリベラルアーツとなります。


社会構成主義

社会を個人の発する言葉とその意識で構成された集合体と捉えて考えます。対話型組織開発の根底に流れるマインドセットになります。また、組織論(経営学)との関連性も重視します。

 キャリアが形成される組織は、構成員の発する言語及びその共通認識(ディスコース)によって構成されているものとして捉えます。



対話型組織開発

社会構成主義をベースとした対話型組織開発の対話をキャリアカウンセリングによって進め、これまでに蓄積された知見である組織論も加味し、組織活動全体の改善を目指します。



「経験代謝」の活用

「経験代謝」は、JCDAが推奨するキャリアカウンセリングのメカニズムです。

 過去の意味ある経験を傾聴することによって、個人の内省を促し、個人の自己概念の成長と周囲環境(組織)との関係性の改善を図ります。

 それぞれの経験の統合による組織の活性化を目指します。



経営組織論

バーナードは著書「経営者の役割」の中で

組織を社会目的の達成をする為の人の諸力によって構成された協働システムと捉えました。

 ここでは、社会構成主義の観点から諸力について「組織を構成メンバーのナラティヴによって構成されているシステム」として捉えてアプローチをします。

ポストモダン時代における組織の活性化を目指します。




 「キャリアカウンセリング型組織開発®」の源流のひとつが、1920年代のM.P.フォレットの思想になります。

「個人、組織、社会の関係をすべてプロセスとみなすことにある。すなわち、個人が他者との相互作用を通して組織という社会過程をつくり、さらに組織と組織、個人と組織のそれぞれの相互作用の中で社会ができるというように、「個人―組織―社会」と連なる動態的プロセスとして三者の関係を捉えている。」を理論的な基礎としています。

 個人毎の経験に基づく組織に内における相互作用における軋轢(コンフリクト)をどのように統合するかが重要になります。

 この考え方を現代社会において実践するにあたって、「キャリアカウンセリング型組織開発」では、次のように考えています。

 「社会構成主義」に基づいた「対話型組織開発」において、JCDAの「経験代謝」による「キャリアカウンセリング」を対話の軸として実施し、組織の改善を実現します。まずリーダーの組織目的をナラティヴとしてメンバーに伝達し、それを受けてメンバーからよりも、組織目標を念頭に置いた上でのより良い職業生活の実現の為にどうしてゆくのか、ナラティヴやディスコースの集約を行います。これらをもとに、組織やリーダーを含めた環境全体への働きかけが行います。このように組織内のナラティヴ・ディスコースの変化を起こすことにより、組織の変革がおこり、その結果組織全体の活性化が進むことになります。


キャリアカウンセリング型組織開発®の考え方

 キャリアカウンセリング型組織開発®の視点は、キャリアカウンセラーが組織内キャリアカウンセリングを行う際に、組織開発を意識して、より社会的に有意義な環境を達成する点にあります。

 もう一つの視点が、日々どのような組織においても絶えず行われている売上や利益を増加させる為の改善策等の組織パフォーマンスを高める為の各種の取り組み、これらも組織開発と言えますが、その効果を高める為にも、キャリアカウンセリング(経験代謝)の活用を推進してゆくことです。

  組織開発においては、個人の悩みや各種の課題に対するアプローチ方法がまだ十分に明確でないともいえます。一方で、組織の個人に対するキャリアコンサルティングにおいては、クライアントの概念に変化を与え、その変化が組織にも影響を与えるという視点から、組織内におけるキャリアカウンセリングでも常に組織への働きかけを意識する必要がありますが、どのように意識すれば良いのかはまだ明確にされていない面もあります。このような組織開発とキャリアコンサルティングの課題をつなぎ合わせ、そのそれぞれの課題点を解決する手法が「キャリアカウンセリング型組織開発」だと言えます。

 ほとんどの社会人が組織に関わっていることを考えれば、それぞれの組織の改善(=組織開発)を行うにあたって、個人のマインドフルネスを高める為のキャリアカウンセリング(経験代謝のメカニズム)も必要とされています。このように、JCDAの経験代謝を使ったキャリアカウンセリングを経営組織論を踏まえながら組織開発に活かすことを「キャリアカウンセリング型組織開発®」として定義」しています。

 キャリアコンサルティングは、組織におけるキャリアに関する「セルフマネジメント」をサポートする事、キャリアカウンセリングは、「セルフマネジメント」に対する動機付けをサポート「セルフアウェアネス」を向上させるものと位置付けています。


 想定しているキャリアコンサルタントのイメージとしては、社会構成主義をマインドセットとしているCDA(キャリア・デベロップ・アドバイザー《キャリア開発支援者》)が、対話型組織開発、特に、プロセス・コンサルテーションのスタンスで組織開発に関わることが大切になります。

 一番大切な事は。社会構成主義を理解して利用するのでなく、社会構成主義のシステム内で活動を行う事が肝要になります。


☆キャリアカウンセリング型組織開発®のマインドセット

 キャリアコンサルティングを通して組織への働きかけが行われた場合でも、少なからず組織の変革が発生します。組織の変革を起こすということは、組織開発と捉える事が出来ます。つまり、組織内キャリアカウンセリングは組織開発を伴うものだと言えます。このことから、キャリアカウンセラーのカウンセリング自体に対するマインドセットが、そのクライアントが対象とする組織にも大きく影響をすることになります。

 しかし、キャリア(コンサルティング)カウンセリングにおいては、クライアントに関する組織への働きかけがどのようなスタンスで行われるべきなのか、一般的にはまだあまり明確にはされていません。そのキャリアカウンセリングを有効にするには、その環境である組織に働きかける必要があるという視点だけが明示されています。例えば、ロジャース型の傾聴を主体とするカウンセラーでも、組織に働きかけようとする瞬間から、クライアントとの間で形成された自己の概念に基づいて、そのカウンセラーが主体的に組織に働きける事になります。その主体となる自己概念自体がどのように生成されるのか、環境である組織にはどういう姿勢で働きかけるべきなのかという点については、まだ不明確にも感じます。また、再びカウンセリングに戻った時にカウンセラーは、組織に対する働きかけを通じて生成された自己概念から脱却し、本当に純粋に傾聴に戻れるのかという疑問も出てきます。

 そういう意味からも、カウンセラーとしてのマインドセットはしっかりと確立された上で、キャリアコンサルティングは行われるべきだと考えています。この観点から、「キャリアカウンセリング型組織開発®」においては、「経験代謝」のマインドセットを「社会構成主義」におくことにしています。 「プロセス・コンサルテーション」におけるマインドセットも大変参考になります。

 「キャリアカウンセリング型組織開発®」では、組織への働きかけは個々のカウンセラーの自己概念や自らの経験のみに基づいて行われるのでなく、これまでに確立された組織開発や組織論、マネジメント理論の知見を踏まえて行われるべきだと考えます。一方で、社会構成主義の立場をマインドセットにしますので、それらの知見はあくまでキャリアコンサルタントのバックボーンを形成するというものになります。

 「キャリアカウンセリング型組織開発®」での組織内キャリアカウンセリングでは、クライアントの環境を、これらの知見を理論的に整理したうえで把握することを目指しています。

 以上の点からも、ここでは、「キャリアカウンセリング型組織開発®」を行う上でのマインドセットを明確にすることを主たる目的としていることになります。


社会構成主義で大事なポイントとして、「モダン」「ポストモダン」の取り扱いがあります。

 「モダン」を現代、現代風と訳されることもあるが、ここでは「近代」として把握します、一般的なイメージではどちらかというと「前近代」という感覚になると思います。

現代は「Contemporary」「Present day」とします。

現代は「モダン」的な考え方から、「ポストモダン(ポストモダニズム)」へ移り変わっている状態と捉えています。

そのような状況の中で社会構成主義は、「モダン」を批判し「ポストモダン」へと向かう考え方になります。但し、社会構成主義と「モダン」の考え方である「本質主義」は是非を争うものではなく、実際は共存をしているというスタンスを取ります。

 組織開発では、過去の学校教育などを通じて獲得された「モダン」をベースとしたマインドセットを「診断型」、ポストモダンを前提としてマインドセットを「対話型」と想定しています。また、対話型の源流は「社会構成主義」になります。

 キャリアカウンセリングについても、検査によるマッチングを重視するような「モダン」をベースとする「診断型」のみの取り組みと、ナラティヴ・ブリーフセラピーや経験代謝のメカニズムを重視した「ポストモダン」をベースとする「対話型」の取り組み(構成主義的)では、結果として組織や社会に与える影響は違ったものになると考えています。但し、「診断型」と「対話型」実際は共存する考え方がここでの「対話型」のスタンスになります。