個と環境、個と社会は切り離すことが出来ない全体性を持つ。仏教は、人間とは何か、人間の世界とは何かを示してくれる。法華経方便品第二は、その全体性を示してくれている。
「短期療法のためのヒント47」
若島孔文著 遠見書房 より
32 法華経方便品第二━各心理療法がおとしたもの
因縁果報は次の因縁につながってゆく。心理学全般に言える事であるが、概念や理論ばかりで、人間そのものの存在を扱う事を軽視してきた。全体を一体と考えるシステミックな見方は、実は東洋的な見方であることが、大日如来や十如是から理解できる。
「短期療法のためのヒント47」
若島孔文著 遠見書房 より
このような思想は、M.P.フォレットの思想やC.ライト.ミルズの「社会学的想像力」にもみる事が出来ます。個と社会は一体であるので、社会の事を捉えるのは、「個」の理解がまず大切です。
また、システム論として考えると、個々だけでは社会は成り立たず、社会は個々の働きによって成り立っているということとも共通していると感じます。
四国お遍路では、般若心経を唱えるのですが、その中に有名な「色相是空 空即是色」という言葉が出てきます。「社会はあるようだが、ない。ない様だがここに見えるようにある。」他にも優れた洞察の言葉が出てきますが、素粒子や時間の相対性など現代物理学の発見や社会構成主義を捉えた時に、本当に遠い昔に真理に近づいていたのだと感心します。
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