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ウイリアム・コーンハウザーの大衆社会論


現代社会の特質を示す内容として、「大衆社会」という概念があります。

 W. Kornhauser "T HE POLITICS OF MASS SOCIETY"「大衆社会の政治」 (1961年 東京創元社)

 

現代社会の特徴としては、公衆(public)の衰退と大衆(mass)の躍進があります。

 公衆;民主主義の担い手・世論の形成者である理性的な大量の個人の集合

 大衆;大量の情報によって、心理的に操作される大量の人間の集合  

 

エリートへの接近性 高 ① | ③

     ⇅      ━━━━━

          低 ② | ④

            低 ⇔  高 非エリートの操縦の可能性

 

① 多元的社会      ③ 大衆社会

② 共同体(的)社会   ④ 全体主義社会

 

③大衆社会: 孤立した大量の個人が権力中枢からの扇動によって情緒的に操縦( manipulation)される社会

 

革命の意味付け

 ☆フランス革命(1789年~1795年)《市民革命》

   (大衆参加・介入の増大による)エリートの排他性・隔離性の喪失

     ⇒エリート接近性の可能性の高まり

 ☆ロシア革命 (1917年)《社会主義革命》

   個人(家族)という大衆と国家という権威を媒介していた「中間集団」の無力化

     ⇒非エリート操縦性の高まり

 

 (上智大学 ソフィア・コミュニティ・カレッジでの2013年春「現代企業の特質」の講座内容より作成)