プロセス・コンサルテーション


 シャインが提唱するコンサルティング概念。組織をコンサルティングするにあたり、外部のスキルを持って組織を指導するのではなく、その組織自体のプロセスに着目し、組織の自発的改善力を活かすようにコンサルティングを行うことです。
 キャリアカウンセリング型組織開発では、この概念と同様に社会構成主義をマインドセットとし、組織のプロセスをその構成員の言語とその認識によって構成されるものと捉え、組織開発にキャリアカウンセリングを通じてアプローチしてゆきます。
 特に、社長やマネジャーやリーダー等組織トップへのビジネスキャリアカウンセリングを通じてその認識を組織内で明らかにすることと、一方で、それに対応する形でメンバーの組織認識とのギャップに着目し、組織をより目的に向かって進めるように、組織の内部潜在能力を活かすべく組織開発を実施します
参考 謙虚なコンサルティング エドガー・H・シャイン 2017年 英治出版)

クライアントが学び方を学ぶように支援すること

 

プロセス・コンサルタントの特徴は、クライアントが自ら問題を解決し、学び方を学ぶことが出来るような関係を彼らとの間に築いてゆくことだ

 

支援者、コンサルタント、コーチは機敏さと柔軟さ兼ね備えなくてはならない

なぜなら、どのような支援が必要になるかは前もってわからないからである。

さらに、人とグループに関する問題の多くは状況に応じて変わってゆく


シャインは、クライアントの支援には3つのモードがあることを示した。

①専門家モデル

クライアントが自分で実施できない方法や得られない情報を専門家から購入し、提供してもらうという支援

②医師━患者モデル

クライアントの現状を点検してもらう為に、診断して処方箋をだしてもらうという支援

③プロセスコンサルテーション・モデル

クライアントが現状で起こっているプロセスに自ら気づき、どのように変えていくかを自ら計画して実行していく、その過程の支援

 

☆プロセス・コンサルテーション・モデルのモードから変革の取り組みをを始める事の必要性をシャインは強調している。


シャイン「謙虚なコンサルティング」(クライアントにとって「本当の支援」とは何か)

(Humble Consulting) 2017年 英治出版 より抜粋します。

 

謙虚なコンサルティングの姿勢

 Commitment  力になりたいという積極的な気持ちが大事

 Caring                   クライアントに対する思いやり・・・・・出来るだけ早く個人的な話を始める事

 Curiosity              好奇心 「どのような問題がおきているのか?」

 

聴き方の3種類(P138)

 自己中心的に聞く

 内容に共感しながら聴く

 人に共感しながら聴く

 

 パーソナライゼーションは、すればする程良いなどと決めつけない事、相互依存の関係が存在しない場合は、多くの関係がLeve1のままで極めてうまく行くのだ(P238)

 

「本当の支援を速やかに行う方法」

  コンサルタントの手助けによって、クライアントが

   1)問題の複雑さと厄介さを理解し

   2)その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて

   3)本当の現実に対処すること

                 が、本当の支援なのである。

   ☆注目すべきは、主語が「クライアント」である点

 クライアントが自ら道を見出だせるように支援しなければならない。

 

 解決に必要な知識や技術が自明でない問題

 「適応を要する課題」

   クライアント自身が、学習をし続けて、ものの見方、世界の捉え方を変えてゆく(適応してゆく)必要がある

   文化的規範が大きく影響

 

 つまり、

  新しいコンサルティングモデル≒「謙虚なコンサルティング」

    潜在クライアントと初めて接する時に、信頼しあって率直に話の出来る関係を築こうという意識を持って挑むことになる

  ⇒やってみようと思う事や対応が、手間のかかる診断や介入でなく、アクティヴ・ムーブ(次の迅速な一手)となるのである。

 話す事への執着が、アメリカ経営文化の大きな特徴

   「診断し、次いで助言する」というアプローチは、あまり効かない。⇒「診断型組織開発」

     ⇅

   支援者がクライアントと最初も瞬間から、率直に話の出来る信頼関係を築く必要があること⇒「対話型組織開発」

 

 NTL「クライアントが「学び方を学べる」関係を築くこと」

 

 「パーソナリゼーション」⇐CEOと自宅で話を聴く

   「具体的にどんなことがあるか、話して頂けますか」

     ↑例外なくまず質問をした方が良い

 

 「アダプティブ・ムーブ」 (適応した動き)=(次の迅速な一手)

クライアントとの間にこれまでにない個人的な関係が必要である=対等な関係

初めて言葉を交わす瞬間から、新たな対応の仕方が必要である。

   困った時の依頼の場合

    「あなたの考えを、もう少し詳しく話してください。」

    「その企業内文化調査を実施したいのは、なぜですか?」

    「解決しようとしているのは、どのような問題ですか?」

 これまでとは違う「謙虚な姿勢」と「支援したい気持ち」や「好奇心」が必要である

 「謙虚なコンサルティング」には、新しいタイプの聴くスキルと対応するスキルが必要である。

 

☆結局のところ、コンサルタントがこれまでにない革新的な対応をしなければ、これまでにない複雑で厄介な問題を取り扱うのは難しいのである。

    2種類の共感力を伸ばす必要もあった

    ・現況や問題について好奇心を持って傾聴する共感力である

    ・クライアントを本当に悩ませている問題が何かを見極めようとして、好奇心を持って傾聴する共感力である。

 


(注意)「診断型組織開発はプロセスコンサルテーション型で進められている」(P.202注)との記述が下記の書籍にありますが、ここでは、「対話型組織開発 (その理論的系譜と実践 2018年7月 英治出版)」をもとに、アプローチ法と社会構成主義のマインドセットという点に注目し、対話型組織開発の中においています。

 

(参照:組織開発の探求 ~理論に学び、実践に活かす 中原淳+中村和彦著 ダイアモンド社 2018年10月 P198~P202)