· 

組織開発におけるマインドフルネス


 組織開発におけるマインドフルネスの重要性についてです。マインドフルネスはもともと仏教の八正道の正念(Right Mindfulness)から来ているとのことです。自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れることということになります。

 マインドフルネスを高める為には、セルフマネジメントとセルフアウェアネスが重要になります。

 組織開発において発生する個々のメンバーの内面の課題を解消しマインドフルネスを高める為に、具体的にどうするのかが大切になります。現状では個々の場合に合わせて、ヒアリング等により対応するというのが基調のようです。 

 この内面の課題解決には、組織開発において経験代謝のメカニズムを基本としたキャリアカウンセリングの適応することが有用です。組織開発のビジネス現場でマインドフルネスを仏教の八正道の正定等から説明するのは難しく思われます。経験代謝を基軸にしている理由は、組織開発において組織における考え方(ディスコース)との整合性が取れ、またそれらを統合できるようにその視点を(管理論の祖フレドリック・テーラーと同年代に活躍し、経営学の近代派への扉を開いたC.I.バーナードの思想にも影響を与えた)M.P.フォレットの「経験の統合」という概念を含んだ考え方に置くことが出来る事です。これにより個々の内面の課題にも対応でき、組織開発にスムースに進めることが出来ます。また、臨床心理的な側面に深く立ち入り過ぎずに、組織開発においてシステムとして組織の課題解決を進めることが出来ます。

 また、内面的な課題解決を考えるにあたっては、社会構成主義におけるキャリアカウンセリングとセラピーの違いの認識も大切になります。組織内における各個人の未来に向かっての課題解決は、キャリアカウンセリングの主要分野になります。


 セルフアウェアネス(Self-awareness)とは、自己認識です。

「自分の感情の状態を正しく把握でき、同時にそれが他人にどのような影響を与えているかを十分認識できること」

キャリアカウンセリングによって、内省を促し、自己概念を確認(再構築)してもらうことにより、支援を行います。


正念(しょうねん)「八正道」right mindfulness

 『正念(しょうねん)』とは、原語でsammā-satiと言って、サティ とは気づくという意味です。何に気がつくのかというといまの自分に気がつくということです。瞬間瞬間の自分に気づくことなのですが、自分に気がつくためには精神統一をしなければなりません。正念とは、邪念を払い常に仏道を心に思いとどめることを意味します。

 「念」の原語であるパーリ語の「サティ」という言葉には、「心の中で思うこと」、「過去を追念すること」、「専念」といった意味があり、一般的にいって「正念」とは正しい気づかい、注意、思慮を指すことになります。

 大乗仏教になるとさらに、仏が衆生を救済しようとする真実の思いに心をめぐらすという意味が発生し、真実をあらわす姿である仏を念ずることが「正念」であるとされるようになります。

すなわち常に仏を念じて、間違いなく浄土に往生すると信ずる心そのものを、「正念」と呼ぶのです。(太)

(学校法人光華女子学園 今月の言葉より 平成18年4月のことば)


正定(しょうじょう)「八正道」positive definite

 仏陀が悟りの内容としてお示しになった四つの真理(四聖諦(ししょうたい))のなか、心を集中するための修道方法として挙げられた「八正道(はっしょうどう)」の最後が、「正定」です。

 身口意(しんくい)の三業を、正業・正語・正命の徳目として示された一々の戒を身に付けることによって調整すれば、おのずと健全な肉体と精神が得られます。その結果、至り着く正しい精神統一の状態のことを、正定と呼ばれるのです。

 仏教の基本的な修道法は、まず戒によって身を修め、それによって物質的欲望を超越した正しい精神統一を獲得して、仏陀の悟りの内容である「無常・苦・無我」の智慧に至り着くというものです。この過程を、「戒・定・慧の三学(さんがく)」といいます。ただ三学は、直線的段階的なプロセスを指すのではなく、三者がつねに相即不離の関係にあると見るべきです。心身の調御と高度の精神統一によって、正しい智慧が身に備わるのです。(太)

(学校法人光華女子学園 今月の言葉より 平成18年5月のことば)