── 個人の対話が、なぜ組織の課題整理につながるのか
Ⅰ. 導入:キャリアの相談は「個人の問題」だけではない
キャリアカウンセリングというと、多くの場合
・転職
・キャリア選択
・個人の悩み
といった個人の問題を扱う支援だと考えられています。
しかし実際には、相談内容の多くは
・上司との関係
・組織の評価制度
・役割の曖昧さ
・意思決定の難しさ
など、組織の中で生まれている問題が語られることになります。
つまり、キャリアの相談は、個人の問題であると同時に、組織の問題でもあることが少なくありません。
Ⅱ.組織開発は「組織をよくする取り組み」
組織開発(Organization Development)とは、
・組織の関係性
・意思決定
・コミュニケーション
・組織文化
などを改善し、心理学的なアプローチで組織の機能を高めていく取り組みです。
多くの場合、一般的な組織開発は
・研修
・組織診断
・チームビルディング
といった形で行われます。
つまり一般的には、組織全体を対象としたアプローチとされています。
Ⅲ.しかし実際には「個人の対話」から組織の問題が見えてくる
一方で、キャリアカウンセリングの現場では、個人との対話を通して
・組織構造の問題
・役割設計の問題
・評価制度の問題
・意思決定の問題
といった、組織の課題が見えてくることが少なくありません。
例えば「仕事がうまく回らない」という相談の背景に
・役割が曖昧
・責任範囲が重なっている
・評価が不明確
といった構造的な問題が隠れていることが多くあります。
Ⅳ. 個人の対話は「組織を見る窓」になる
このように考えると、特に組織内におけるキャリアカウンセリングは単なる個人支援ではなく
「組織の状態を理解するための重要な窓」とも言えます。
個人の経験や違和感の中には、組織の構造や文化が強く反映されているからです。
Ⅴ.キャリアカウンセリング型組織開発という考え方
ここでの支援では、
・経営組織論
・組織心理学
・組織開発
といった理論を、ケースを見る切り口として用います。その上で
・ブリーフセラピー
・キャリアカウンセリング
などの対話アプローチを使いながら、相談者とともに状況を整理していきます。
つまり、個人の対話を起点に、組織の構造や課題を整理していくというアプローチになります。
Ⅵ. 支援の目的は「答えを与えること」ではない
エドガー・シャインも「プロセス・コンサルテーション(ミクロOD)」等の中で強く主張をしていますが、
このような支援で目指しているのは、支援者が答えを出すことではありません。
相談者自身が
・状況の意味を整理し
・組織の中での位置を理解し
・次の意思決定を行える状態になることです。
個人の対話を通じて、組織の構造や状況を整理していけるように進めてゆく。
それが、キャリアカウンセリングと組織開発が重なり合う領域なのだと思います。
★組織開発キャリアコンサルタント
── 個人の対話を起点に、組織課題の解決を支援する専門家
