マネジメント


マネジメントとは何か?

 

 マネジメントの定義は一言では表しにくいものですが、ドラッカーはその本質を

「企業は社会のために存在し、その本質はマーケティングとイノベーションにある」

と明確に示しています。

この視点に立つと、マネジメントとは次のように捉えることができます。

企業(組織)が社会に価値を生み出し続けるために、
マーケティングとイノベーションを実現するための工夫と努力の総体

つまりマネジメントとは、

・何を社会に提供するのか(マーケティング)
・どのように価値を進化させ続けるのか(イノベーション)

組織として継続的に実現するための仕組みづくりと実践 です。

 

マネジメントの外向きの役割

 

 マネジメントには、組織内部だけでなく外部環境(市場・社会・制度)との整合性を調整する役割 があります。

自由市場経済の中で企業が存続・発展するためには、

・社会的責任
・期待される役割
・価値観や倫理

を踏まえた意思決定と行動が不可欠です。

その意味で、マネジメントは社会的責任を伴った専門職能 であるといえます。

 


ドラッカーによるマネジメントの定義

 

ドラッカーはマネジメントを次のように定義しています。

「組織に(社会的)成果を上げさせるための道具・機能・機関」

この定義の背景には、C.I.バーナードの一般システム論や、M.P.フォレットの「人と組織の関係性」の思想があります。

フォレットは、組織とは個人の対立や利害を『抑圧』や『妥協』で処理するものではなく、
新しい価値へと『統合』するプロセスである
と捉えました。

 


個人・組織・社会をつなぐマネジメント

 

マネジメントは、常に次の三者の関係性を前提にしています。

 

・組織と社会の関係

組織は、製品やサービスを通じて社会と関わり、社会に価値を提供することで存続と発展を図ります。

 

・個人と組織の関係

組織は、個人に

・働く機会
・報酬や役割
・成長の場

を提供します。

一方、個人は組織を通じて社会に働きかけ、

自己実現と社会貢献を同時に目指す ことになります。

 


マネージャーの役割とは

 

 ドラッカーは、マネージャーを次のように定義しています。

「組織の成果に責任を持つ者」

マネージャーに求められる役割は、大きく三つに整理できます。

  1. 組織のミッションを達成する
     (目的・戦略・成果に焦点を当てる)
     ≒ 診断型組織開発の視点

  2. 組織で働く人を活かす
     (対話・関係性・学習を重視する)
     ≒ 対話型組織開発の視点

  3. 社会に貢献する
     (CSR・SDGs・倫理的責任)

これらは独立したものではなく、相互に強く関連しています。

 

 マネジメントとは、組織の「目標・案件・プロセス」を適切に整え、

最終的に マーケティングとイノベーションの成果につなげること だといえます。

 


ドラッカーが示した「マネジメントの5つの仕事」

 

ドラッカーは、マネジメントの具体的な仕事として、次の5つを挙げています。

  1. 目標を設定する

  2. 組織する

  3. チームを作る

  4. 成果を評価する

  5. 自らを含め、人材を育成する

 

これらは単なる管理業務ではなく、人と組織を通じて社会的成果を生み出すための実践行為 です。



補足説明)

 マネジメントの定義は難しいですが、ドラッカーは企業の社会的責任を前提に

「企業の本質はマーケティングとイノベーションである。」としています。

 つまり、企業(組織)においてマーケティングとイノベーションを実現する工夫や努力が「マネジメント」の本質であると捉えています。また、マネジメントの対外的な側面としては、「外部環境との整合性を調整する。」という機能もあると考えています。

 基本的には自由市場経済を調整する機能として、企業は社会的役割・社会的責任とその実践(”Tasks, Responsibilities, Practices”)という役割が大切になります。

 

〖詳しくは、 マネジメント(上) 著者 P.F.ドラッカー  

  監訳者 野田一夫 村上恒夫 1974年3月 発行 ダイアモンド社

 (P.F.Drucker  "Management : Tasks, Responsibilities, Practices" 1974)〗