── キャリアの相談は「意思決定の整理」である
Ⅰ.組織内キャリアカウンセリングの実際
キャリアカウンセリングというと、多くの場合
・転職
・適職
・キャリアプラン
といったテーマを扱う支援だと考えられています。
しかし実際の相談の多くは、もう少し手前にあります。
それは「何を選ぶか」ではなく、「どう意思決定するか」という問題です。
例えば
・この役職を引き受けるべきか
・組織に残るべきか
・部下への対応をどうするか
これらはすべて、キャリア上の意思決定と言えます。
Ⅱ.管理職のキャリア相談は「経営判断」に近い
特に管理職や経営者の場合、キャリアの相談は
・組織運営
・部下マネジメント
・組織の方向性
といった問題と強く関係しています。
例えば
・部門の方針をどうするか
・人事配置をどうするか
・誰に権限を委譲するか
これらは単なる個人の選択ではなく、組織全体に影響する意思決定です。
つまり管理職のキャリア相談は、経営判断の整理に近い性質を持っています。
Ⅲ.意思決定は「情報」ではなく「意味の整理」で進む
意思決定が難しくなるのは、情報が不足しているからとは限りません。
むしろ多くの場合、
・状況の意味づけ
・選択肢の整理
・リスクの理解
が十分に整理されていないことが要因になります。
情報は存在していても、どう捉えるかが定まっていない状態です。
キャリアカウンセリングの対話は、この「意味の整理」を進めるプロセスでもあります。
Ⅳ.ミクロODとしてのキャリアカウンセリング
組織開発の領域では、個人との対話を通じて組織の問題を整理する方法として
プロセスコンサルテーションというアプローチがあります。
これは、支援者が答えを与えるのではなく、
・状況を理解し
・問題を整理し
・意思決定できるようにする
ことを支援する方法です。
この点において、キャリアカウンセリングは、組織の中で行われるミクロレベルの組織開発と捉えることができます。
個人の意思決定の整理が、結果として組織の動きに影響するからです。
Ⅴ.キャリアカウンセリング型組織開発の視点
ここでの支援では、
・経営組織論
・組織心理学
・組織開発
といった理論を、ケースを捉える視点(切り口)として用いながら、
・ブリーフセラピー
・キャリアカウンセリング
の対話を通じて、相談者とともに状況を整理していきます。
目的は一貫しています。
それは、支援者が答えを提示することではなく、相談者自身が納得して意思決定できる状態をつくることです。
その意味で、キャリアカウンセリングとは意思決定と構造の整理を通じて、組織課題の解決を支援する実践であるといえます。
★組織開発キャリアコンサルタント
── 個人の対話を起点に、組織課題の解決を支援する専門家
