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なぜ管理職のキャリア相談は組織問題の解決につながるのか

── 個人の悩みの背景にある組織の構造

 

Ⅰ.管理職の相談は「個人の悩み」に見える

 キャリアカウンセリングの相談では、管理職やマネジメント層から次のようなテーマが出てくることがあります。

・部下との関係がうまくいかない
・仕事が回らない
・上司との方針が合わない
・組織の評価に納得できない

一見すると、これらは個人の悩みや対人関係の問題のように見えます。

しかし、話を丁寧に整理していくと、その背景にはしばしば組織の構造的な問題が見えてきます。

 


Ⅱ.多くの場合、問題は「組織の中」で生まれている

 例えば、「部下が思うように動かない」という相談の背景には、

・役割が曖昧
・権限が不足している
・評価制度が機能していない

といった問題が隠れていることがあります。

 また、「仕事がうまく回らない」という相談の背景には、

・部門間の役割の重なり、抜け落ち
・意思決定の遅さ
・組織構造の問題

があることも少なくありません。

つまり、管理職の相談は個人の問題というよりも、組織の問題として理解した方が整理しやすい場合が多いのです。

 


Ⅲ.管理職は「組織と個人の境界」にいる

 管理職という立場は、

・組織の方針を実行する立場であり
・同時に一人の個人(プレイヤー)でもある

という二つの役割を持っています。

そのため、

・組織の期待
・上司の方針
・部下の状況
・自分自身の判断

の間で、さまざまな調整を行う必要があります。

 このような立場にあるため、管理職のキャリア相談は自然と組織の問題に触れる内容になりやすいのです。

 


Ⅳ.個人の対話から組織の課題が見えてくる

 キャリアカウンセリングの場では、相談者との対話を通じて

・状況の整理
・役割の確認
・意思決定の背景

を丁寧に見ていきます。

すると、「これは個人の問題というより、組織の仕組みの問題ではないか」ということが見えてくることがあります。

この意味で、キャリアカウンセリングは組織の状態を理解するための窓にもなることが出来ます。

 


Ⅴ.ミクロODとしてのキャリアカウンセリング

 組織開発の世界には、プロセスコンサルテーションというアプローチがあります。

これは、支援者が答えを与えるのではなく、相談者自身が

・問題を理解し
・状況を整理し
・意思決定できる状態

になることを支援する方法です。

 この考え方は、キャリアカウンセリングにもよく似ています。

つまりキャリアカウンセリングは、個人との対話を通じて組織の問題を整理する

ミクロレベルの組織開発とも言えるかもしれません。

 


Ⅵ.個人の対話が組織を動かすこともある

 管理職のキャリア相談では、

・役割の整理
・意思決定の整理
・組織の見方の整理

が進むことで、その後の行動や判断が変わることがあります。

その結果として、

・チームの関係が変わる
・意思決定の流れが変わる
・組織の動きが変わる

といった変化を生み出すことも出来ます。

個人の対話から始まる小さな整理が生まれることも、組織全体の動きに影響することもあるのです。

 


Ⅶ.キャリアカウンセリング型組織開発という視点

 ここでの支援では、

・経営組織論
・組織心理学
・組織開発

といった理論を、ケースを見る視点として用いながら、

・ブリーフセラピー
・キャリアカウンセリング

の対話技法を使い、相談者とともに状況を整理していきます。

 その目的は答えを与えることではなく、相談者自身が状況を理解し、意思決定できる状態をつくることです。

個人の対話を起点に、組織の課題や構造を整理していく。

それこそが、キャリアカウンセリングと組織開発が重なり合う領域なのだと思います。

 


 

★組織開発キャリアコンサルタント
── 個人の対話を起点に、組織課題の解決を支援する専門家