── ミクロODという視点から見る意思決定と組織変化
Ⅰ.組織を変える方法としての「対話」
組織を変えるというと、多くの場合、
・組織構造の変更
・制度改革
・人事配置
・戦略の見直し
といった大きな施策が想定されます。
これは、いわばマクロレベルの組織開発です。
一方で、組織の中では日々、
・上司と部下
・管理職と経営層
・同僚同士
の間で、多くの対話が行われています。
この個人レベルの対話が、組織にどのような影響を与えるのか。
ここに、もう一つの組織開発の視点があります。
Ⅱ.組織は「人の行動」で動いている
組織というと、
・制度
・構造
・ルール
といったものを思い浮かべがちです。
しかし実際に組織を動かしているのは、人の判断と行動です。
例えば、
・誰に仕事を任せるのか
・どこまで権限を委譲するのか
・どの問題を優先するのか
こうした日々の判断が積み重なることで、組織の動きは形作られていきます。
つまり、組織は制度や構造だけで動いているのではなく、日々の意思決定の積み重ねによって動いていると言えます。
Ⅲ.管理職の意思決定が組織の動きを変える
特に管理職は、
・組織の方針を現場に伝える
・部下の役割を決める
・チームの運営を行う
という立場にあります。
そのため、管理職の
・判断
・意思決定
・部下との関わり方
が変わると、チームの動きも変わることがあります。
つまり、一人の管理職の変化が、組織の動きに影響することがあるのです。
しかし、この判断は役割期待や関係性の影響を受けるため、単純に正解を出せるものではありません。
Ⅳ.個人の対話から始まる変化
キャリアカウンセリングの場では、
・状況の整理
・役割の理解
・意思決定の整理
といったテーマについて対話を行います。
この対話を通じて、相談者自身が
・問題の見方
・判断の基準
・行動の選択
を整理していくことがよくあります。
その結果、
・部下への関わり方が変わる
・チームの運営が変わる
・意思決定の仕方が変わる
といった変化が生まれることもあります。
Ⅴ.ミクロODという考え方
組織開発には、組織全体を対象とする取り組みだけでなく、
個人との対話を通じて組織に働きかける方法もあります。
例えば、プロセスコンサルテーションというアプローチでは、
支援者が答えを提示するのではなく、相談者が
・状況を理解し
・問題を整理し
・意思決定できる状態
になることを支援します。
このような支援は、個人の対話を通じて組織に働きかける「ミクロOD」という視点で捉えることができます。
Ⅵ.個人の対話だけで組織は変わるのか
もちろん、個人との対話だけで組織全体が大きく変わるとは限りません。
組織の問題には、
・制度
・構造
・経営方針
といった要因も関係しています。
そのため、場合によっては、組織全体へのアプローチ(マクロOD(組織開発))が必要になることもあります。
Ⅶ.それでも、個人との対話自体は意味がある
それでも、一人の管理職が
・状況の見方を整理し
・意思決定を明確にし
・行動を変える
ことで、チームの動きを変えることがあります。
そして、その小さな変化が、組織の中で少しずつ広がることもあります。
このような視点から見ると、組織内でのキャリアカウンセリングは
個人の対話を起点に、組織に働きかける支援とも言えるかもしれません。
ここで重要になるのが、「組織開発キャリアコンサルタントの支援の視点」です。
この支援では、個人の問題として捉えるのではなく、
「意思決定と関係性によって生まれる組織の動き」という構造として状況を見ていきます。
その上で、
・どの意思決定が組織の動きに影響しているのか
・どの関係性が行動を規定しているのか
を整理しながら、「意思決定の軸そのもの」を再構成していきます。
Ⅷ.キャリアカウンセリングと組織開発の重なり
ここでの支援では、
・経営組織論
・組織心理学
・組織開発
といった理論を、ケースを見る視点(切り口)として用いながら、
・ブリーフセラピー
・キャリアカウンセリング
の技法に基づいた対話を通じて、相談者とともに状況を整理します。
目的は、相談者自身が状況を理解し、意思決定できる状態をつくることです。
個人の対話から始まる小さな整理が、組織の動きに影響することもある。
そこに、キャリアカウンセリングと組織開発が重なり合う領域があると言えます。
★組織開発キャリアコンサルタント
── 個人の対話を起点に、組織課題の解決を支援する専門家
