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尾川先生のOD寺小屋 第三回


 昨日も尾川先生のOD寺小屋が開催されました。今回も先生のお話から感じた事をまとめておきたいと思います。

 

第3回:対話型組織開発と診断型組織開発の相違を比較考量する

参考書:『プロセス・コンサルテーションの実際Ⅱ』

(エドガー・シャイン/尾川丈一(著)、(株)プロセス・コンサルテーション、2020)

 

 

 キャリアカウンセリング型組織開発®では、社会構成主義をベースとしたブリーフセラピー(家族療法)、対話型組織開発、経験代謝(キャリアカウンセリング)、経営組織論を基礎にしています。それぞれの関わり方については、「意識マトリックス理論」にてある程度統合できるようになってきました。

 一方でそれぞれの基礎的な理解の部分で、少し理解に違和感があったのですが、今回の先生の講義の中でその部分をクリアにすることが出来ました。今回の講義の最初に「社会学の準拠枠」ということで、構成主義を説明されたのですが、この準拠枠を基準にそれぞれを理解し直すことが出来て、本当に大変参考になる内容でした。

その基準の枠組みは次のような形で説明がありました。

 

『☆社会学の準拠枠の分類』

横軸 主観⇒客観(観察)

縦軸 方法論的全体主義(システムアプローチ?)⇒方法論的個人主義

 

実存主義(左上象限) ※心理学 臨床心理学 内観療法  サルトル・ロジャーズ・フロイト

行動科学(右上象限) ※認知行動療法

構成主義(左下象限) ☆解決志向ブリーフセラピー・ナラティブ・アプローチ⇒今回の講義内容

構造主義(右下象限) ※家族療法 (複数人(システム)を観察対応することがポイント)』

 

 続いて上記の説明を踏まえた上で、「第3回 対話型組織診断と診断型組織診断を比較考量する」として、

対話型組織開発と診断型組織開発の解説がありました。

 

 特に、対話型組織開発については、「ナラティブ・アプローチ」としてアプローチをする場合、どのような課題が想定されるかという解説が詳しくありました。結論としては、対話型組織開発と診断型組織開発の均衡点を見つけながら、併用する方が適切との事でした。この点は、意識マトリックス理論で「社会構成主義と本質主義」の併存という形でまとめていますので、その延長線上で一度考察してみようと思います。

 

 その他お話の中では、「ナラティブ・アプローチは歴史社会学と近似している」という点に引かれました。

 最後の自由討論の時間に、「職務内容等とは別に「人間関係」での問題が組織では多くある」というお話が出て、キャリアコンサルティングの主要な目的のひとつが「組織内における人間関係の軋轢の解消」であることに改めて思い至ることが出来ました。これは経営組織論のM.P.フォレットの創造的経験(1924年)で示された組織内の軋轢の解消をいかにするかという課題を、キャリアコンサルティングによって解決できる可能性があるという事であると捉えています。

 大切な事は、相談者個人の問題解決でなく、相談者と組織の関係性や組織(システム)全体の影響を考慮して課題解決してゆくことになります。この視点を踏まえて、キャリアカウンセリング型組織開発®におけるキャリアコンサルティングの目的を、

「組織におけるキャリア開発を支援するとともに、その障害となる周囲との人間関係の課題も合わせて解決してゆく。」

というように考えるような示唆を得られました。

 組織内におけるメンタル課題への対応についてもこの枠内で、組織内における人間関係の軋轢を解消するという視点から考えてみるということの可能性を感じた講義内容でした。

 

 昨日も尾川先生のOD寺小屋が開催されました。今回も先生のお話から感じた事をまとめておきたいと思います。

 

第3回:対話型組織開発と診断型組織開発の相違を比較考量する

参考書:『プロセス・コンサルテーションの実際Ⅱ』

(エドガー・シャイン/尾川丈一(著)、(株)プロセス・コンサルテーション、2020)

 

 キャリアカウンセリング型組織開発®では、社会構成主義をベースとしたブリーフセラピー(家族療法)、対話型組織開発、経験代謝(キャリアカウンセリング)、経営組織論を基礎にしています。それぞれの関わり方については、「意識マトリックス理論」にてある程度統合できるようになってきました。

 一方でそれぞれの基礎的な理解の部分で、少し理解に違和感があったのですが、今回の先生の講義の中でその部分をクリアにすることが出来ました。今回の講義の最初に「社会学の準拠枠」ということで、構成主義を説明されたのですが、この準拠枠を基準にそれぞれを理解し直すことが出来て、本当に大変参考になる内容でした。

その基準の枠組みは次のような形で説明がありました。

 

『☆社会学の準拠枠の分類』

横軸 主観⇒客観(観察)

縦軸 方法論的全体主義(システムアプローチ?)⇒方法論的個人主義

 

実存主義(左上象限) ※心理学 臨床心理学 内観療法  サルトル・ロジャーズ・フロイト

行動科学(右上象限) ※認知行動療法

構成主義(左下象限) ☆解決志向ブリーフセラピー・ナラティブ・アプローチ⇒今回の講義内容

構造主義(右下象限) ※家族療法 (複数人(システム)を観察対応することがポイント)』

 

 続いて上記の説明を踏まえた上で、「第3回 対話型組織診断と診断型組織診断を比較考量する」として、

対話型組織開発と診断型組織開発の解説がありました。

 

 特に、対話型組織開発については、「ナラティブ・アプローチ」としてアプローチをする場合、どのような課題が想定されるかという解説が詳しくありました。結論としては、対話型組織開発と診断型組織開発の均衡点を見つけながら、併用する方が適切との事でした。この点は、意識マトリックス理論で「社会構成主義と本質主義」の併存という形でまとめていますので、その延長線上で一度考察してみようと思います。

 

 その他お話の中では、「ナラティブ・アプローチは歴史社会学と近似している」という点に引かれました。

 最後の自由討論の時間に、「職務内容等とは別に「人間関係」での問題が組織では多くある」というお話が出て、キャリアコンサルティングの主要な目的のひとつが「組織内における人間関係の軋轢の解消」であることに改めて思い至ることが出来ました。これは経営組織論のM.P.フォレットの創造的経験(1924年)で示された組織内の軋轢の解消をいかにするかという課題を、キャリアコンサルティングによって解決できる可能性があるという事であると捉えています。

 大切な事は、相談者個人の問題解決でなく、相談者と組織の関係性や組織(システム)全体の影響を考慮して課題解決してゆくことになります。この視点を踏まえて、キャリアカウンセリング型組織開発®におけるキャリアコンサルティングの目的を、

「組織におけるキャリア開発を支援するとともに、その障害となる周囲との人間関係の課題も合わせて解決してゆく。」

というように考えるような示唆を得られました。

 組織内におけるメンタル課題への対応についてもこの枠内で、組織内における人間関係の軋轢を解消するという視点から考えてみるということの可能性を感じた講義内容でした。